善悪の彼岸
(光文社古典新訳文庫)
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内容紹介
考える自我から出発したデカルトに始まり、カント、シェリング、ヘーゲル、ショーペンハウアーにいたる西洋の近代哲学。本書はその遺産の上に立ちながらも、哲学そのものがキリスト教の伝統にいかに制約されているか、独断論に終始しているかを示し、新しい哲学の営みの道を拓く試みである。アフォリズムで書かれたニーチェの思考の記録を、音楽のように響き、肉声が聞こえるような新訳で!
目次
第1篇 哲学の先入観について
第2篇 自由な精神
第3篇 宗教的なもの
第4篇 箴言と間奏曲
第5篇 道徳の博物学のために
第6篇 われら学者たち
第7篇 わたしたちの徳
第8篇 民族と祖国
第9篇 高貴なものとは
高き峰々より―結びの歌
著者紹介
ニーチェ,フリードリヒ[ニーチェ,フリードリヒ][Nietzsche,Friedrich] 1844‐1900。ドイツの哲学者。プロイセンで、プロテスタントの牧師の家に生まれる。ボン大学神学部に入学するが、古典文献学研究に転向。25歳の若さでバーゼル大学から招聘され、翌年正教授に。ヴァーグナーに心酔し処女作『悲劇の誕生』を刊行したが、その後決裂。西洋哲学の伝統とキリスト教道徳、近代文明を激烈に批判、近代哲学の克服から現代哲学への扉を開いた。晩年は精神錯乱に陥り1900年、55歳で死去 中山元[ナカヤマゲン] 1949年生まれ。哲学者、翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)