出版と権力 講談社と野間家の一一〇年
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内容紹介
日本の出版。その草創期にも転換期にも、彼らが関わってきた……。
「おもしろくてためになる!」「これを読めば大学に行かなくても偉くなれる!」
臆面もなく立身出世を説き、一代にして「雑誌王」に成り上がった初代清治。
勃興する帝国日本の大衆の心を鷲づかみにした印刷物は、やがて軍部との抜き差しならぬ関係のなかで変貌していく……。
そして敗戦後、総合出版社への転換をなしとげ、国民教育(ナショナル・エデュケイション)と出版による世界平和の夢を追いつづけた四代省一。
未公開資料を駆使し、近代出版百五十年を彩る多彩な人物群像のなかに野間家の人びとを位置づけた大河ノンフィクション!
目次
序 章 本郷界隈に交錯する夢 第一章 問題児、世にはばかる 第二章 『雄弁』創刊前夜 第三章 大逆事件から『講談倶楽部』へ 第四章 団子坂の奇跡 第五章 少年たちの王国 第六章 雑誌王の蹉跌 第七章 紙の戦争 第八章 戦時利得と戦争責任と 第九章 総合出版社への道 終 章 ふたたび歴史の海へ
著者紹介
魚住昭[ウオズミアキラ] 1951年熊本県生まれ。一橋大学法学部卒業後、共同通信社入社。司法記者として、主に東京地検特捜部の取材にあたる。在職中、大本営参謀・瀬島龍三を描いた『沈黙のファイル』(共同通信社社会部編、共同通信社、のち新潮文庫)を著す。1996年退職後、フリージャーナリストとして活躍。2004年、『野中広務 差別と権力』(講談社)により講談社ノンフィクション賞受賞。「講談社 本田靖春ノンフィクション賞」選考委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)